『わたくしがおります。いつでも離れず、ひかえておりますから、どうか! 王子!』 『そんなことはわかっている。おまえの忠心に応えられぬ己が悔しいのだ!』 落涙。 サフィールは絶望しかけていた。 『全ての希望を捨てられますのか? わたくしにはできかねます。いいえ。できない』 (そうよ、忘れないで) 『母が』 (わたくしが) 『共に、ここにいるから!』 (アレキサンドラ!) (わかるのね、わたくしを忘れずに)