青ざめた王子はそのまま動かない。動けないのだ! 腹を、爪にかけられて。 血も出ていない。 吸引されてるかのようだ。 いや、実際、吸われている。 化け物の爪から伸びた、びくびくとはねる血管がそれを示している。 「リック、いや、リッキー? アレキサンドラ? こんな時になんなんだが、できればよく聞いて欲しい。私と死んでくれ」 『遺言だな』 「リリアン、冗談でもそのようなことは!」 「冗談ではない。冗談ではないのだよ、リッキー、いや、アレキサンドラ? もう、目……が」