「あっ……」 となっちゃんは声を出そうとして小さくボクに耳打ちした。 「あれ、あのシリアルナンバー、あたしのよ」 「どれどれ」 「馬鹿ね、最近近視のかっちゃんには、読むの無理」 「いつも一緒に抱いて寝ているのとは違うんだよね?」 「そおよっ! ふっるーい、かつては時代の最先端をいってたはずのロボットよ。あんなに汚れちゃってるけど……ああん、もう」 なっちゃんは身もだえするかのように言ったけれど、そうはいえど、大きな体つきの、黒ジャージのお兄さんにはとてもじゃないが、話しかけづらい。