「何かあったら、すぐに言え」
「警戒を怠るなよ」
教室に戻る間、ずっと会長の言葉がぐるぐる回っている。
何でそんなこと言ったんだろう。
まさか、私を心配して……。
「もとかちゃん?」
近江さんが私の顔をまじまじと見つめていた。トリップしてしまっていたらしい。
「ご、ごめん」
「ううん、別にいいよ。私、売店でご飯買ってくるから、裏庭で食べよ」
近江さんとは一旦別れて私は自分のクラスに入る。体育で汗を流したから、お腹ペコペコだ。
「あれ……」
何かがおかしい。私の椅子に置いてあるカバンが。
チャック全開になっている。授業に行く前にちゃんと閉めたはずなのに。
不審に思いつつ、弁当箱を取り出す。中身を確認すると、大好きなとんかつとエビフライが入っていた。
(うわー、美味しそう!)
ウキウキしながら弁当箱を抱え込み、近江さんを迎えに行く。
ガッ、つま先が何かに当たった。それと同時に視界がぐらつく。
「きゃあああっ」
私ではなく、見ていた女子生徒の誰かが金切り声を上げる。
私は床に叩きつけられた。その際、弁当箱の中身が散乱する。
じーんと全身が痛む中、気配を感じて見上げると、意地悪3人組が嘲笑っていた。
例のシンデレラ継母、義姉妹。
「あらごめんなさい、足引っかけちゃった」
わざとらしい言い草。私は応えず、急いでおかずを掻き集める。
「でもそれじゃあ、食べられないわよね」
「じゃ、今日貴方はお昼抜きね」
最後に一発、唯一サランラップに包まれていたおにぎりを踏み潰して出て行った。
「ごめんね、足が滑っちゃった」
3人組は何もなかったかのように去っていく。
鮭のおにぎりは一瞬にしてぺしゃんこになり、それこそ食べられる代物ではない。
恐る恐る視線を見回すと、クラスメイトは見て見ぬふりをする。
(せっかく、お母さんが早起きして作ってくれたお弁当が……)
半ベソ気味になった時、私のおでこに何か音を立てて当たった。
チョコチップ入りのメロンパン。
「ほら、おすそ分け」
近江さんが頭上にある蛍光灯に照らされて微笑む。
私に食べ物を与えてくれたマリア様に見えた。
「警戒を怠るなよ」
教室に戻る間、ずっと会長の言葉がぐるぐる回っている。
何でそんなこと言ったんだろう。
まさか、私を心配して……。
「もとかちゃん?」
近江さんが私の顔をまじまじと見つめていた。トリップしてしまっていたらしい。
「ご、ごめん」
「ううん、別にいいよ。私、売店でご飯買ってくるから、裏庭で食べよ」
近江さんとは一旦別れて私は自分のクラスに入る。体育で汗を流したから、お腹ペコペコだ。
「あれ……」
何かがおかしい。私の椅子に置いてあるカバンが。
チャック全開になっている。授業に行く前にちゃんと閉めたはずなのに。
不審に思いつつ、弁当箱を取り出す。中身を確認すると、大好きなとんかつとエビフライが入っていた。
(うわー、美味しそう!)
ウキウキしながら弁当箱を抱え込み、近江さんを迎えに行く。
ガッ、つま先が何かに当たった。それと同時に視界がぐらつく。
「きゃあああっ」
私ではなく、見ていた女子生徒の誰かが金切り声を上げる。
私は床に叩きつけられた。その際、弁当箱の中身が散乱する。
じーんと全身が痛む中、気配を感じて見上げると、意地悪3人組が嘲笑っていた。
例のシンデレラ継母、義姉妹。
「あらごめんなさい、足引っかけちゃった」
わざとらしい言い草。私は応えず、急いでおかずを掻き集める。
「でもそれじゃあ、食べられないわよね」
「じゃ、今日貴方はお昼抜きね」
最後に一発、唯一サランラップに包まれていたおにぎりを踏み潰して出て行った。
「ごめんね、足が滑っちゃった」
3人組は何もなかったかのように去っていく。
鮭のおにぎりは一瞬にしてぺしゃんこになり、それこそ食べられる代物ではない。
恐る恐る視線を見回すと、クラスメイトは見て見ぬふりをする。
(せっかく、お母さんが早起きして作ってくれたお弁当が……)
半ベソ気味になった時、私のおでこに何か音を立てて当たった。
チョコチップ入りのメロンパン。
「ほら、おすそ分け」
近江さんが頭上にある蛍光灯に照らされて微笑む。
私に食べ物を与えてくれたマリア様に見えた。


