校門の前に立って、口をあんぐりさせた。


「こ、ここが月光学院・・・・・?」


天帝学院もかなりのマンモス校だが、ここもかなりのマンモス校だ。
広すぎるほど広い。


「さすが学園祭、にぎやかだね~」


「・・・人ごみだらけ」


「今、日本で一番注目を浴びている学園祭ですからね」


たくさんの屋台が並んでいる。しかも、本格的なもの。
学院内は人で溢れてきた。そのほとんどが、結婚式目当てなのだろう。


「挙式まで時間あるし・・・・遊んじゃおう!」


ちょっと、待て!何処までマイペース何だ、この人は。
変装までして、ここに来たのに。


「ちょっと見て、あの人たち」


「素敵!短髪の人」


「リーゼント頭の人も良くない?」


「あの金髪盾ロールの女の子はフランス人形みたい・・・・・」


目立たないようにという趣旨があったにも関わらず、別の意味で目立っちゃってるじゃん!


「嘘、僕にくれるの?」


女性に弱い副会長は女の子からおでんもらってるし。


「・・・退け」


「きゃー、何かクールガイ!」


無愛想っぷりが何故か受けてる椚先輩。


「僕、可愛いですか?」


「やーん、ボク少女なの?か・わ・い・い!」


少女なアル君はそれでも女の子に大人気。


「はぁ~・・・・・」


頭を抱えこんでしまう。