Love Slave

これで「さすが医者の血を引く男!」なんて言っちゃダメなんだろうな。
彼にとっては禁句なんだろう。


「・・・この状態で、遠出するつもりか」


「避暑地の事ですか?」


会長の言うことは絶対だし、ましてや、私は会長の奴隷だから行かなくてはならない。


「もう決定したのも当然だし・・・・」


「・・・怪我が悪化しても知らねぇぞ」


一応、心配してくれているらしい。全治3日とは言ったものの、安静にしなければ、痛みは長引く。


「椚先輩は行かないんですか?」


今朝、会長と険悪モードになってたけど。


「・・・面倒臭ぇ」


「会長と椚先輩って仲悪いんですか」


「・・・良いとも悪いとも、アイツが敵対視してるだけだ」


会長が一方的に嫌ってるだけなのか。じゃあどうして生徒会に入れたんだろう。
メンバーは会長の指名だというのに。


(優秀だからって理由かな・・・・)


「・・・アンタがどうしても行くと言うなら、俺は止めない。ただ、アンタの専属医師として同行してやる」


耳を疑った。まさかの従者宣言(のようなもの)。会長の奴隷に召使が付くみたいな。


「・・・嫌か?」


「い、いえいえ!嫌なんてとんでもない。・・・その、嬉しいです」


「・・・そうか」


その時の椚先輩の顔は微笑んでいるように見えた。表情に変化が見られない男から、初めて見た笑顔。


それは、冷血ではなく自然なものだった。


「・・・ほら」


「へ?」


「・・・さっさと乗れ、おぶってく」