また会長の勝手で強引な思いつきが始まった。


「俺の別荘へ行くぞ」


別荘まであるのか、このお坊ちゃんは。

「とりあえず、生徒会合宿ってことで」


しかも合宿扱いなんて・・・。まったく、急すぎるよ。でも、熱いところから涼しいところへ行くのもいいかもね。




「あれー、飲み物ないじゃない」


冷蔵庫の中を覗くと、飲み物だけが空っぽになっていた。ただでさえ、喉がカラカラなのに・・・・。干からびて死んじゃうよ。


「ちょっとコンビニで買い出しに行ってくる」


「もう夜遅いんだから、気をつけて行ってきなさいよ」


「はーい、行ってきます」


うちからコンビニまでは歩いて10分ほど。さっさと買って、さっさと帰ってきてしまおう。


「ん?何だ?」


コンビニに謎の人だかりが。しかも、主に女の子。


「ねえねえ。ここでしょ?イケメン店員がいるっていう・・・・」


「そうなのよ!だけど、何処かで見たことあるような・・・・」


「イケメン店員がいるコンビニ?」


そんなのは初耳。しばらくコンビニなんて来てなかったしな。


(一体、どんな人だろう?)


人ごみの間をすり抜けて、店内に入り込む。


ピンポンピンポーン


「・・・いらっしゃいませ」


「あ・・・・・!」


何処かで見たことあるどころか・・・・。


「椚先・・・うぐっ!」


「・・・大声出すな、バカ女郎」