―ブォンブブブゥ…


カチャッ… 「 わぁー… ミヤビ見てっ!」

「ぉおーっ… 」


そこは、いつも見慣れている公園のはずなのに、まるで初めて訪れたかのような、今までに見たことが無いくらいの白銀の世界が広がっていた…。


「わぁすごぉい! ミヤビー! 早くおいでょお!」

「ははっ、ちょっとサクラー 待ってよ!」



いつしか二人は、子供に戻ったかのように、雪をかけ合い 夢中になって走り回っていた。


「ハァ、ハァハァ… ちょっとタイム!
俺、もうダメー!」

「えーっ、もぅ…おじさんは体力がないなぁー」

「こらこら、年上だからって おじさんは無いだろ…」

「だぁーってぇ、まだ遊びたいんだもんっ!」

「はいはい… じゃあ おじさんは、少し休憩したら また遊んであげようねぇー」

「ちぇーっ、つまんないのぉっ」



夕べ降り積もった雪は、今朝からの晴天で 少しずつ溶けはじめていた。
初冬の寒さにも負けず、しっかりと根をはっていた草たちが、その溶けた雪のあいだから、青々とした顔をのぞかせていた…



―…あれっ?
「ねっ、ねぇミヤビー!
ちょっと来て!」

「えーっ 何?」

「いいから早くっ!」