「そんな事、信じられません。
京介さんはお父さんと二人でしょう。
大事な京介さんが
そんな危険の中に飛び込もうとしているのに、
お父さんが知れば絶対に反対します。
相馬先生でも同じだと思います。」
「ふざけるな。こんな事で先生を煩わしたとあっては
東条京介も終わりだ。
とにかく、今夜、吉岡の家で通夜だ。
疑うなら、お前も行って聞いてみろ。
それからどうせ自習だから
午前中にさっきの事を聞きだしておいてくれ。」
話は終わりだ、
と言うような顔をして京介は自分の教室へ入って行く。
残された直道も二階への階段を上がっているが、
京介の心を知ってしまった直道、
その足取りは重い。
「京介さん、分りました。
桜本たちは二学期の初め頃から
ちょくちょく三年生の増田さんと会っていたようです。」
二時間目終了のチャイムが鳴り、
京介が弁当箱を取り出した時に直道が顔を出した。
「三年生の増田… どんな奴だ。」
三年間同じ学校で、
それも六クラスしかないと言うのに、
京介の頭には何も無かった。
それで二年生の直道に当然のように聞いた。
「やだなあ。京介さんの隣のクラスにいる
増田大吾という人ですよ。
先生たちも手を焼いている不良の望月と仲間です。
望月は体が大きくてやることが派手だから目立ち、
二学期には一度補導されていました。
だけど増田は他の子分とはちょっと違う立場を維持しているような、
つかみ所の無い存在です。
あれ、ひょっとして望月のことも知らないのですか。
あの不良の番長ですよ。」
と言われても…
本当に何も知らなかった京介だ。
とにかく何も関心が無く、
ただ父が高校ぐらいは出ておけ、
一度ぐらい卒業式に出席してみたいから引っ越そう、
と言うことで今の生活がスタートした。
しかし、小学校から友達と言うものがいたためしがなく、
クラスメートの顔すら覚えていないのが京介だった。
京介さんはお父さんと二人でしょう。
大事な京介さんが
そんな危険の中に飛び込もうとしているのに、
お父さんが知れば絶対に反対します。
相馬先生でも同じだと思います。」
「ふざけるな。こんな事で先生を煩わしたとあっては
東条京介も終わりだ。
とにかく、今夜、吉岡の家で通夜だ。
疑うなら、お前も行って聞いてみろ。
それからどうせ自習だから
午前中にさっきの事を聞きだしておいてくれ。」
話は終わりだ、
と言うような顔をして京介は自分の教室へ入って行く。
残された直道も二階への階段を上がっているが、
京介の心を知ってしまった直道、
その足取りは重い。
「京介さん、分りました。
桜本たちは二学期の初め頃から
ちょくちょく三年生の増田さんと会っていたようです。」
二時間目終了のチャイムが鳴り、
京介が弁当箱を取り出した時に直道が顔を出した。
「三年生の増田… どんな奴だ。」
三年間同じ学校で、
それも六クラスしかないと言うのに、
京介の頭には何も無かった。
それで二年生の直道に当然のように聞いた。
「やだなあ。京介さんの隣のクラスにいる
増田大吾という人ですよ。
先生たちも手を焼いている不良の望月と仲間です。
望月は体が大きくてやることが派手だから目立ち、
二学期には一度補導されていました。
だけど増田は他の子分とはちょっと違う立場を維持しているような、
つかみ所の無い存在です。
あれ、ひょっとして望月のことも知らないのですか。
あの不良の番長ですよ。」
と言われても…
本当に何も知らなかった京介だ。
とにかく何も関心が無く、
ただ父が高校ぐらいは出ておけ、
一度ぐらい卒業式に出席してみたいから引っ越そう、
と言うことで今の生活がスタートした。
しかし、小学校から友達と言うものがいたためしがなく、
クラスメートの顔すら覚えていないのが京介だった。

