マスク・ドール

マカは前髪をかき上げた。

「膨大な力を他所にはやれない。だからこそ、祖父は私を次期当主にしたんだからな。自覚はあるが、もうちょっとだけ、待っててくれないか?」

「私が何かするよりも先に、同属が動くと思いますが?」

「今回の調査が終わるまでは、同属も動くまい」

「マカ…」

「お前の心配は分かっている。だが私も動きを制限される前に、やっておきたいことがあるんだ」

マカは窓から空を見上げた。

まだ朝靄が残る中、太陽が輝き出した。

「決着をつけるのには、まだ早い。そう…まだ動き出すにはいかないんだ」

マカは苦しそうに目を閉じた。

まぶたの裏に浮かぶのは…。