「…………」

振り返ると
そこには
オレンジの髪を持つ人がいた。


なに…?



「あ…えっと…」

少し言葉に詰まる彼。


ナンパ?



でも…

何か違う。
違和感。


ナンパする人って

もっと…こう
勢いがあるというか…



「何してんの?」

そう言う彼は、


じっとあたしの目を見ていた。




シカトすることは出来た。

ナンパなんて
慣れてるし。





あの日、
あたしが立ち止まってしまったのは

なぜだろう



連日の真夏日が
知らぬ間に

あたしを蝕んでいたのか…


うん、

そうだ。



きっと……