視界が滲み、形容しがたい感情があふれ出す。 ―――秋って、誰だっけ……? 「―――春さんはね、DID、解離性同一性障害という精神病なんだ」 「解離性……同一性障害……?」 医師の言葉が耳に突き刺さる。 そしてそれはエーテル麻酔のように冷たく、じんわりと私の思考を融かしていく。 それほどまでに、彼の言葉は信じ難く、認めがたいものだった―――。