あたしがこうして、弥生ちゃんと話そうって決意したのは、哲のおかげだし。 もしちゃんと話そうとしなかったら、先崎にも再会してないわけだし。 そう思うと、哲はやっぱり あたしにとっては、かけがえのない存在だと思うの。 「衣里は…」 「あたしは、先崎も哲も大好きだよ。でも、どっちかって言ったら、やっぱり哲が好き」 「そっか…分かった。じゃあまたね」 「うん」 電話を切ると、もう家についていた。