知ってる顔だった。

恐れていたことが、起きてしまった・・・。




[ユリさん]

と、みんなが、呼んでいた。

長い黒髪。





あたしたちが知り合ったのは、1年半前。

あたしが、高校に合格して、すぐあとのこと。

春休みだった。





あたしは、おとうさんになぐられるのが、もういやになっていた。

だから、家を出た。最初は、友達の家を泊まり歩いた。

     でも、きまづくなった。

     そのうち、ファミレスや漫画喫茶に泊まるようになった。


     





すぐに、お金がなくなった。

すごくいやだったけど、知らない男の人についていった。

そんなことを繰り返して、すごくいやなことが、なんどもあった。






そんなとき、同じ目をした人を、街で、見かけた。

ふらっと、話しかけた。

女の人は、[ユリ]と名乗った。