結局、私は一人、社会科準備室でご飯を口に突っ込みながら考えた。
仮に、私の考えが当たっていたとしたら。
美羽ちゃんの将来が大きく変わってしまう出来事。
もしかしたら、美羽ちゃんはこのことを誰にも相談できずにいるんじゃないだろうか。
クラスには、まだ特別仲良しな友達もいないみたいだし、ご家族とは離れて暮らしてる。
『彼』にも黙っているんじゃないだろうか。だって、相手も高校生みたいだし。
……お互い、パパとママになるには、まだ早いお年頃。
多分、今のところ美羽ちゃんの体の変化に気づいているのは私だけ。
先生に言わないと。
でも、もしも違っていたとしたら。
美羽ちゃんは、先生には絶対に知られたくないはず。
まだ、そうとは決まっていないんだし、ただの仮説の段階で先生に話すのはやめておこう。
この仮説がはずれであることを祈りながら、お弁当のふたを閉めた。
社会科準備室には、私のお弁当の匂いが漂っていた……。



