「指輪、外したほうがいい」
先生の言葉に、心は凍る。
プライベートでは会わない。
指輪も外せ。
……頭では理解できても、心が置き去りにされているの。
こんなに大好きな先生と、たった2週間だけど近くにいられて嬉しいはずだったのに。
学校では、指導教諭と実習生であっても。
人目を気にしないでいられる先生の家なら、恋人でいてくれると思ったのに。
公務員としての倫理に人一倍厳しい先生は、私が実習生の間はそれもできないと考えているんだね。
辛いけれど、先生のために。
泣いちゃうことは許して。
だって、私の体の一部なんだよ?
先生の手を取って、大きな手のひらの真ん中に置いた。
「……うん。バレたら大変だね」
リングと一緒に、涙も先生の手のひらに落ちた。



