信じられない思いで先輩の顔をもう一度しっかりと見てしまった。
目を、逸らすことができない。
だって、先輩の目は『本気だ』って言ってる。
テーブル越しにぶつかる視線がとても熱っぽくて、私はどうしていいのかわからなくなってしまった。
顔がかあっと赤くなっているだろうなって思うけれど、自分ではどうすることもできなくて、ただぼ〜っと先輩を見つめるだけ。
「……ごめん。迷惑、だよね?
俺さ、なんとなくミウちゃんと自分が似てるような気がしたんだ。
ミウちゃん、人と話すのが苦手だろ?
俺もそうなんだ。
いつもストレートにものを言いすぎて、相手を怒らせたり、空気が読めない奴って陰で叩かれながら学級委員長なんてやらされてさ。
今も、そうだったよね?
俺、自分の事だけ考えて告白しちゃったけど、いきなりこんなこと言われたら困るよな。
ホントごめん。今の事、忘れて欲しい。それで……」
待って!
私の返事を聞いて!
でも、こんなときに限って、緊張しすぎてまた言葉が出ない!
今、伝えないと、きっと後悔する……。
私はとっさに腕を伸ばして、テーブルに置かれた先輩の手を掴んだ。



