子どものように泣きじゃくる菫。
そんなに我慢させていたとは気づかなかった俺。
京都で暮らした2年間は、お互い学生だったし、知り合いもいなかったので人目をはばかる必要がなかった。
だが、ここでの2週間は違った。
俺は教員で、菫は元教え子の実習生。
卒業しているとは言え、やはり色々と問題があり、必要以上に接触を避けていた。
それは菫も理解していたはずだが、心はそれについていけなかったのだろう。
週末も、木内や岩谷の件で振り回されて、菫のことが後回しになっていた。
近いのに遠い……その距離を作ったのは、俺ではなかったか?
妊娠疑惑の時も、菫は俺に黙ってこっそりと泣いていた。
今だって、実習期間中は一度も愚痴をこぼさなかった。
年下の菫に甘えるだけで、不安にさせていたことに全く気付かなかった自分に腹が立つ。
……それでも、俺から愛されているという自信が欲しいというのであれば。
彼女の不安を少しでも早く解消できる方法はただ一つ。
今、打ち明けよう。
俺が目指す未来に必要なのは……。



