な、なんなの、先生!?
私の教育実習中は我慢するって言ったのは、先生じゃないの。
「ちょ、ちょっと待って……」
先生だって言ってたじゃない。
『仲良くしたいけど、その時の菫の姿が浮かんだら困る』みたいなこと!
私だって同じなんだから!
一緒に教室にいるときに、もしそんな事を思い出しちゃったらどうしよう!?
クラスの生徒に、ケンカ中の不穏な空気を感じられたら嫌だけど、あまりにも仲良しな雰囲気を醸し出すのもどうかと思うの!
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、肩を引き寄せてじっと見つめてくる。
「そんなに困った顔をされると、自分がとても悪い男になったような気分です。
安西先生とはもう、結納も済ませた仲なのに……いけませんか?」
向かい合わせになった私の体を、ぎゅっと包み込まれた。
……絶対、いけません!
頭ではそう思ってるんだけど、なぜか体が言うことをきかない!
だって、はぐはぐされたらもう、抵抗できなくなっちゃうんだもん。
あったかくて、安心できて、私のお気に入りの場所。
だけど、やっぱり!
「先生、これ以上はダメ……」