ハンズフリーモードになっているため、俺は声を出さずにジェスチャーで菫に伝える。
自分を指差し、電話で話すポーズ。
菫がそれを見て首を縦に振った。
「裕香、ちょっと待ってて。
私、松本先生に電話して聞いてみるから。
こんな時どうすればいいのか、きっと何か方法はあるはず」
『だって・・・・・・うちの学校の音楽は、あの先生しかいないじゃない』
「そうだけど、私達二人で悩むよりは、きっと良い方法を知ってるはずだから」
『わかった。じゃあ、連絡待ってるね。まだ、研究授業用の指導案、全然できないの』
「うん、なるべく早く返事するから。また後でね」
電話を切ってから、菫が一言。
「さっきの話の内容はわかりました。
先生がどんな想いで、吉川君にしゃべったのかも・・・・・・。
綺麗さっぱり許すかどうかは、今後の先生の行動次第です。
先生、これから裕香の事、何とかしてあげて!
それがうまくいったら、許してあげるからお願い!」
・・・・・・俺、何でこんなに無理難題ばかり押しつけられてるんだ?



