それから。
俺は二階の菫の部屋へ連行された。
お母さんの目の前で話すにははばかられる内容であったからだが、きっと階下で聞き耳を立てているに違いない。
久しぶりに入る、菫の部屋。
ベッドと机程度しかない、あっさりした部屋なのは、京都のアパートに荷物を運んだため。
それでも、シェードとベッドカバーは淡いピンクに統一され、フローリングの床に敷かれたラグは暖かなオレンジ色。
いかにも、妄想大好きな乙女のプライベートルームっていう感じだ。
その部屋でひたすら浮いた存在になっている、三十路の俺。
しかも一回りほど年下の彼女に取り調べられて説教されるって、情けないにもほどがある。
「先生、お座り下さい」
ラグを指差された。
「・・・・・・」
無言で座る。
とりあえず、正座がこの場合は正しいだろうと思う。
しびれるけど。
菫はベッドに腰掛けたので、自然と俺が見下ろされる形になる。
これは・・・・・・相当怒ってるな。
怒るのも無理はないので、まずは謝る。話はそれからだ。
「俺が悪かった」
頭を下げた。



