「お前、ホント勉強しかしてこなかったんだな。
あのな、俺、お前の友達じゃねえぞ。
あそこまで俺がプライベートなことを暴露したのは、何のためだと思う?」
『えええっ、あの、それは、僕が軽率だったから、色々と教えて下さろうとして・・・・・・』
「そうだ! お前が『外出し』を『避妊』だと思ってるような、しかもゴムも買いに行けないお子ちゃまのくせに、俺の大事な生徒を妊娠させたから言ってやったんだよ!
安西先生だって、おそらく木内の身を案じて自分の経験を話したっていうだけだ。
普通、真面目な教員と実習生が、生徒にそんなプライベートな話をすると思うか?
お前達があまりにも未熟で頼りないから、同じ間違いを起こさせないために話したっていうだけで、そんな問題を起こさない普通の生徒には、絶対に話さない。
そこまで推論できるなら、なぜ今言ったようなことも推し量れないんだ?
そういうところが、まだまだお子ちゃまなんだよ、お前は!
黙って自分の胸にしまっとけ!
・・・・・・そして、後から『ああ、やっぱり』と思って祝福しろ!
木内とお腹の子どもと三人で、な。
勉強以外の『人情の機微(きび)』もちゃんと学ばないと、名医にはなれないぞ」
『そ、そうですね・・・・・・余計なことを言ってすみません。
美羽のこともありますし、また後日連絡します!』
吉川からの電話が終わり、ため息と共に携帯を閉じると。
「先生、まさか、私達の『仲良し』のお話まで、吉川君にしちゃってたの!?」
大きな目で俺を睨み付ける菫と、興味津々でにやにや笑っているお母さんからの質問攻めが待っていた・・・・・・。



