ふうん、なるほどね。
二人の話を合わせたら、確かにヒントになりそうなことが沢山あった訳だ。
おそらく、木内の本音を聞き出そうとして、菫が『彼氏』の話をしたんだな。
そして俺は、男同士の本音を吉川に伝えて、己の責任を痛感しろと迫った。
電話中の俺に注目している菫の顔を見ながら、俺はゆっくりと言葉を選びながら話す。
「その件に関しては、ノーコメントだ。
俺が話した内容は、最初に『オフレコだ』と伝えたはずだからな。
オフレコの中身で、こうも言ったはずだ。
付き合うって決めた時も、はっきりと結婚を前提にって伝えたと。
それだけ、大事な相手だという話、理解してるよな?」
菫の目が大きく開かれて、顔色もこころなしか赤い。
俺の話の内容で、自分たちの事がバレたとすぐに気づいたらしい。
受話器の向こう側で、少しの間考えているらしい沈黙があった後。
『はい、先生の彼女さんがとっても大事な相手だっていうことは解っています。
だからこそ、僕と美羽だけの秘密にしようと思ってます。
それで、僕に気づかれるような話をもしも他の人にしたら・・・・・・と思ったんです』
一応、わきまえているらしい。
だが、こいつはまた勘違いしている!



