「ちょっと、すいません」
通話ボタンを押した。
「松本です」
『先生、吉川です。
先程は色々すみませんでした。
今、お時間頂いてもよろしいですか?』
さすが育ちのいい男。だが。
「挨拶はいいから、どうなったのか話せ」
『は、はい!』
……吉川の話をまとめると、こういうことらしい。
木内と話し合った結果、やはり産み育てたい、と。
木内の決意は固かった。
高校はいつでもやり直せるけれども、『この子』を身ごもるのは一度限り。
『この子』を犠牲にしてまで高校生を続けようとは思えない。
とにかく自分は『この子』を守りたい。
未婚の母でもいいから……。
泣きながら、訴えられたそうだ。
彼女にそんな想いをさせたのは、全て自分の責任。
彼女のお腹にいるのは、間違いなく我が子。
今は無理でも、許される時が来たらすぐに結婚しようと約束した、らしい。



