教育実習日誌〜先生と生徒の間〜


甘口カレーをご馳走になりながら実習中の菫の様子をお母さんに話す。


授業参観と指導案作りを、よく頑張っていること。


生徒からも慕われていること。


それから、木内のこと。



「彼女がいなかったら、どうなっていたか……。

よく、女子高生がトイレで出産、なんていう事件がありますが、一歩間違うとそうなるかも知れない事例でした」



たまに、ニュースになる。


まだへその緒がついたままの新生児が、トイレやコインロッカーへ置き去りにされる事件。


その多くが実は学生で、親にも内緒のまま出産した、といったケースらしい。



食卓が、重苦しい雰囲気に包まれてしまった。



「本当にすみません、こんな話ばかりで」


「いえいえ。

少しでもうちの菫がお役に立てたなら、嬉しいですよ、ねぇ菫?」


「今まで迷惑かけてばかりだったもん。

……これからもそうなりそうな予感だけど」



菫が俺に笑いかけながら、最後の一口を食べた時。



携帯が鳴った。


吉川からだ。