「相手の男の子、なかなかしっかりしてそうなタイプね。
病室に入って来るなり、私に丁寧に挨拶してくれたわ。
『あとは僕が付いていますから』って言われて、二人で話したいこともあるだろうからさっさと出てきちゃったんだけど、それで良かった?」
「はい。吉川には、早く安西先生のお母さんを解放して欲しいって言っておきました
から。
それと、ここから先は二人と、その保護者の問題です」
「そうね。二人がどんな道を選ぶのか、ただ見守るしかできないのね、先生も」
「また、生徒に先を越されるのかも知れません」
苦笑いを浮かべる俺に、菫のお母さんが一言。
「あら、うちは学生結婚でも認めますよ。
卒業するまで待つって言い出したのは、先生ですからね」
にやりと笑って、こう続けた。
「小梅だって、年の近いいとこがいた方が、きっと喜びますよ」
「・・・・・・考えておきます」
俺の甥と姪も、既に小学生だもんな。
実習が終わったら、マジで話し合ってみるとするか。
それからまた、少し木内の様子を聞いて、お母さんとは別れた。
晩飯をご馳走になる約束をさせられてしまった。
それまでの間、学校で仕事することにしよう。



