「俺は、彼女と知り合って付き合うまでに1年かかったよ。
彼女の『初めて』を頂くまでには、さらに4ヶ月費やした。
その夜、彼女は真っ赤になりながら言ったんだ。
『コウノトリ飛来回避措置をお願いします』って」
あの夜を思い出して、くすりと笑う。
「実は前から用意してたって答えたら、嬉しいって言ってたな。
知り合ってから、彼女とは沢山いろんな話をしたよ。
付き合うって決めた時もはっきり『結婚を前提に』って伝えた。
それだけ、大事な相手だ。
お互いを信頼しているから、彼女も遠回しだけど『避妊して』って言えたんだろう」
菫は妄想好きな文学少女だから、そんな風に表現するのかも知れないが。
「だけどお前達はそんな風に、お互いの意志の疎通もないまま勢いでやっちゃったんだろ?
今更悔やんでも仕方がないと思うが、俺から言わせてもらうと、これは明らかにお前の方が責任重大だ。
場面緘黙症で内気なヴァージンが、できたてほやほやの彼氏に『避妊して』なんて言える訳がない!
おそらく、お前の親父さんにも、同じ事を言われるだろうけどな。
・・・・・・覚悟しとけよ」



