次の年の夏休みも、その次の夏休みも、僕は由月の元を訪れた。

母が伯父と和解したおかげで、毎年泊まりに行くことができた。

と言うより、父と伯父が仲良くなったおかげだろう。

三人の中で、父が一番楽しそうだった。

何でも伯父から教えてもらった川釣りや畑作りに強く興味を持ったらしく、家に帰ってからは家庭菜園を始めたぐらいだ。

僕も僕で、ほぼ毎日のように由月と連絡を取っていた。

他愛も無いメールや電話のやり取りを続けて、僕等の仲はより深くなった。

時々だけど、写メも送ってくれた。

畑で実った野菜や果物、それにキレイに咲いた花や木を撮ってくれた。

由月自身の写真はなかなかくれなかったけど、それでも彼の送ってくれた写真は大事に保存していた。

やがて月日は過ぎて、僕は高校1年、彼は中学1年になった。

お互い、春に新しい制服の写真を送りあった。

彼の通う地元の中学は黒の学ラン、僕は公立の高校でブレザーだった。

そうしてまた夏休みになり、僕は彼の元へ行った。