「あの、さっきはゴメン。女の子に間違えちゃって…」

「…別にいい。冷静になってみれば、確かにオレも紛らわしい格好してたし」

「うっうん。…あと、みんなで一緒にご飯食べないの?」

「それはいつものこと。アイツらうるさいし、一緒に食べる気しない」

そうイヤ~そうな顔で言わなくても…。

「家族のこと、嫌い?」

「キライ…じゃないけど、少し苦手。うるさいから」

「でも伯母さんは優しいよ? まあ子育てに忙しそうだけど」

「弟や妹はまだ小さいから…。母さんに文句はないよ。弟や妹にもね」

…要は父親と姉5人にはあるわけだ。

でも予想はつく。

お父さんは由月を後継者にしたくて、口うるさくなってしまうんだろう。

お姉さん達は…しょうがないとしか言いようがない。

女性は大家族だと、気が強く育つって何かで聞いたことあるし。

「じっじゃあさ、僕と一緒に食べるのはどうかな?」

「アンタと? 何で?」

「えっと…お姉さん達のことでは同感としか言いようがないんだけど…」

「ああ。アイツら、ここから出たことないから、都会から来たアンタが珍しいんだろうな」

「うん、そうみたい」

さっきのことを思い出すと、少しうんざりしてしまう。