「お母さん、お願いします。こうやってお料理を教えてもらうのが夢だったんですよ」


「有美加さん、ありがとう」


「えっ?」





なんのお礼?

あたしはお願いしてるんだけどな。





「あの子にね、事件の事話したって聞いた時は馬鹿だなって思ったの。でもあなたが『味方だ』って言ってくれたって電話越しでも泣いて喜んでるのが分かったわ。本当にありがとう」





純哉さん…泣いたんだ。

あたしの前では優しくて強い人なのに。