レモンドロップス。


 「行こう、彩香」

 電話を切ると陽斗はそう言い、

 「うん」

 あたしはうなずいた。



 スキップするような軽やかな足取りで、坂道を下って行くあたしたち。

 目の前には春の街が、そしてまだ知らない、たくさんの未来が待っている。


 今はそう信じて歩いていこう。


 2人で。






 陽斗、もう一度ありがとうって言わせて。



 あなたに出会えてたくさんの花を見たよ。

 歌を知ったよ。

 夢を見たよ。


 あなたがいたから、あたしは今ここにこうして立っていられる。
 

 その花、その歌、その夢、そして君といる日々の全てに、ありがとう。


 

                               
                            

                               <完>