「と、とにかく知らないふりして」 「そ、そうね。梱包しちゃおう」 事務所のドアが開いて、課長が出てくる。 二人は慌てた。 課長が席に着いた。 「何か。あったのかい?」 「い、いえ。何もありません」 「本当に?」 「は、い。もう少しで終わります」 「じゃあ、頑張って続けて」 美紀さんと私は平然を装って仕事を続けた。 課長の目がいつもと違う気がした。