「い、え。見、て。ま、せん」


美紀さんの顔は真っ青だった。

たぶん私も。震えが止まらない。

事務所から、怖そうな二人が出てくる。

濃い色のサングラスをかけている。


「おい、連れて行け!」


あのいつも優しい課長が。

今は豹変して。鬼のようになっている。

美紀さんは男たちに連れていかれる。

バタン。事務所のドアが閉められた。

私は声も出ない。


「きゃー」

「ぐへへへ」

「いやぁぁぁ」


美紀さんの絶叫が響いた。