モテ男と地味子の初恋物語

「琢磨、帰ったの?」

という声と同時に現れたのは、上品で穏やかそうな中年の女性だった。今度こそ、桂木君のお母さんだろう。

お母さんは私と目が合うと、亜希子さんと同じく、大きく目を見開いた。

「え? あら、あら、あら、あら…どうしましょう?」

「お袋さん、驚き過ぎ」

「だっておまえ、何の前触れもなく急に…」

「ごめん。学校の友達の雨宮紬さん。紬、俺のお袋」

「雨宮紬です。突然おじゃましてすみません」

「いえいえ、いいのよ。琢磨がお世話になって、すみません」

「お世話だなんて…」

「どうぞ、お座りになって?」

「あ、いいから。紬はパーシーを見に来ただけだから。な?」

「は、はい」