モテ男と地味子の初恋物語

「チェッ。聞こえないみたいだな。まあ、いいや。上がって?」

「いいの?」

「いいから、いいから」

「じゃあ…」と言って私もスリッパに履き替え、桂木君の後に続いて行った。

「お袋さ〜ん、いるか〜?」

と言いながら桂木君が歩いて行くと、「お帰り〜」と女性の声がした。

「あれ? 何でいるんだよ? またサボりか?」

「自主休講よ」

「同じだろ?」

声の主は若い女性で、ピンクのTシャツに白いショートパンツという姿で、リビングのソファに胡座をかいて座っていた。
テレビを観ていたらしい。

この人が桂木君のお母さん?
そんなわけないか。『休講』って言ってたから、たぶん大学生だろう。