今の説明じゃ怪しまれたかな、と思っていたら、明日香がクルッとみんなの方を向いた。

「紬はね、男嫌いなの。特に桂木君みたいな女たらしは大嫌いなの。ね?」

と言われ、私は頷くしかなかった。そっちかあ…

「あたしは大好きだけどね」

と明日香がおちゃらけて言うと、みんなはどっと笑い、自分の席へ戻って行った。

私がほっとして席に着こうとしたら、明日香が小声で話し掛けてきた。

「桂木君と知り合いになった事、どうして黙ってたのよ?」

「それは…」

「まあ、いいわ。その代わり、紬にお願いしたい事があるかも…」

「え? どんな事?」

「ん…明日話すよ」

「明日?」

「うん。今晩、作戦練るから」

明日香のお願いって、何だろう?
嫌な予感がした。