「じゃ、来たい時はいつでも声を掛けてくれよ。な?」

「…はい」

「じゃあな」

と言って桂木君は帰って行った。

私はバスに揺られながら、今日の出来事をずっと考えていた。

愛くるしいパーシー。そして、桂木君の事…

猫が好きな桂木君。言葉はぶっきらぼうだけど、優しかった桂木君。

女たらしの、チャラい桂木君のイメージはもうない。

右手に巻かれた真っ白な包帯に目を落とすと、桂木君に握られた時の、彼の大きく力強かった手の感触が蘇る。

包帯を巻いてくれた時に、私の手に触れた彼の吐息…

私は火照った頬に、そっとその手を当て、「ハァー」と溜め息をついていた。