モテ男と地味子の初恋物語

《琢磨side》

紬の手を引いて廊下を走った。

あの時と、まるっきり同じだな。
いや、何かが違う気がするぞ。
何だろう。何が違うんだろう…

ああ、そうか。

あの時、紬は必死に抵抗していたが、今はそれを感じない。

何でだろうと紬を見たら、赤い顔して俺を見て、小さく笑った。

その顔があまりに可愛くて、思わず抱きしめたくなった。もちろん我慢したけど。


俺は紬を連れて、この前と同じ小さな公園に行った。

今日は風も無く、ポカポカと暖かい。こういうのを、小春日和って言うのかな。

自販機で紬に温かいレモンティーを買い、自分のホットコーヒーも買い、ベンチに並んで座り、レモンティーのプルリングを開けて渡すと、紬は「ありがとう」と言った。

何もかも、あの時と同じだなあ…

あ、そうか。そうだったんだ…