モテ男と地味子の初恋物語

「紬…」

「はい?」

「ちょっと来て」

「え、あ、ちょっと…」

私は桂木君に腕を掴まれ、ぐいっと引っ張られてしまった。

助けてくれるのかな、と思って片山君を見ると、ニヤニヤ笑っているだけ。

明日香はと言うと、ニコニコ笑ってバイバイしていた。

私は苦笑いを浮かべ、桂木君に引かれながら教室を出て、廊下を走った。

周囲の注目の的(まと)。
あの時と同じだ…

パーシーの事で怒った桂木君に、廊下で拉致られた時と同じ。

でも、あの時とは違い、私は抵抗してないって事、桂木君は気付いているかしら。

抵抗するどころか、嬉しくて笑い出したいくらいなの。