廊下で待っていると、郁美が教室から出て来た。郁美は少しはにかんだような顔をしていて、俺は内心ホッとした。

教室の入口にさっきの恐い女子や、その他大勢が集まっていたので、なるべく教室から離れた所まで郁美に来てもらった。

それでも遠巻きに見られていたが、場所を選ぶ時間はない。
この昼休みに、最低でもあと一人と会いたかったから。

「話ってなあに?」

「俺、郁美に酷い事したから、謝りたいと思って…」

「私とよりを戻したい、って話じゃないの?」

「いや、それはない」

「なんだ…」

うわ、郁美の表情がガラッと変わったよ…

「郁美、俺が悪かった」

「気安く郁美って呼ばないで!」