明日香と中庭へ行き、適当に木の下に座ろうとしていたら、ひと組の男女が中庭にやって来るのが見えた。

男子は…圭介?
圭介に腕を持たれて歩いて来る女子は……紬!?

何で圭介と紬なんだよ?

圭介は俺に用事があって、紬は明日香に用事があって、たまたま二人はここで鉢合わせした。

なんて、自分に都合のいい想像を咄嗟にしてみたが、紬が手に持ってる弁当らしき包みが、圭介が手にぶら下げているコンビニの袋が、そして二人が繋いだ手と腕が、そうではない事を物語っていた。

「よお、琢磨。奇遇だな?」

「圭介、おまえ…。じゃあ、あれは…」

「そういう事だ」

目の前が、真っ暗になった。