モテ男と地味子の初恋物語

「悪い。今日はそんな気分じゃないんだ」

「そう…」

小枝子は更に悲しそうな顔をして、俺から離れようとした。

俺はその腕を掴み、小枝子を自分に引き寄せた。

「え?」

「俺を、抱きしめてくれないか? それだけでいいんだ」

「いいわよ」

小枝子は俺の隣に横たわり、背中に腕を回して俺を優しく抱き寄せた。

俺も小枝子の背中に腕を回し、小枝子のふくよかな胸に顔を埋めた。

「何があったの?」

「………」

俺は何も言わなかった。本当は小枝子に何もかも話して、慰めてもらうつもりだった。

しかし、小枝子の悲しそうな顔を見たら、そうする気がなくなった。というか、そうしてはいけないような気がした。