モテ男と地味子の初恋物語

リビングに戻ると、いつのまにかブラウスとスラックスに着替えた亜希子さんがソファに座っていた。

薄くお化粧もしたみたいで、ますます美しくなっていた。

私は桂木君に導かれて亜希子さんの向かいに座り、パーシーを膝の上に乗せた。
桂木君は私の隣、お母さんはその向かいに座った。

「雨宮さんは紅茶で良かったかしら?」

「はい。紅茶は好きな方です」

「良かったわ。琢磨のはコーヒーね。冷めない内にどうぞ」

桂木君はコーヒーカップに砂糖を入れて掻き回していた。

私は「いただきます」と言って、スライスされたレモンをティーカップに入れた。

砂糖を入れるのは何か恥ずかしい気がして、入れずにカップを持ち上げたら、「紬?」と桂木君に呼ばれて手を止めた。