「石田マネージャー、全員のポジションと、ショータイム中のシフト交代、ショーの回数やステージのローテーションを一覧表にまとめておいてくれませんか。」
『もう出来てますよオーナー。』
「もう出来てる!?
まだ頼んで無かったのに、手早いね!」
『営業していくには、必要かと思って、スタッフ全員の毎日のシフトから、ショーのローテーションは、早い段階から作っておいて、それに併せて練習していました。』
「さすがだな。」
『私より小峰マネージャーの方が凄いですよ!
今日までの支出や入金、冷蔵庫や空調設備の各種リースを計算して、スタッフ全員の能力をチェックして給料も決めていってます。
そっから逆算して、売り上げ見込みも算出しての、1日の売り上げ目標額まで出していますから。』
「そこまで出来ているんだ!」
『1人の客単価も出して、1日の客動員目標人数と売り上げ目標額から、毎日の売り上げ金額と人数を入力するだけで、パーセンテージが分かるようになってますよ。
アンケートボックスの設置もしていたし、カウンターの中では、お客様の目の前でカクテルを作るのだからと、バーテンをやっている知人を呼んで、ショーの様に見せるシェーカーの振り方や、注ぎ方、様々なカクテルに対応できる様に、しっかり特訓させてましたよ。』
「二人とも、俺がイチイチ口出ししなくても、ちゃんと出来ているんだな!」
『当然ですよ!
経営者としてのスキルを求められているんだから、能力をフルで使ってやっていますよ。』
「工事の方は、どうなっているんだ?」
『後は、店内のクロス貼りと表の看板の設置、それとダクトの外の配管だけで終了します。』
「それでは、3月10日のオープンに間に合うな!」
『大丈夫です。
それから、新聞の折り込みと、コンビニ等に置いているフリーペーパーに、広告とクーポン券を手配しておきました。』
「そこまでやってくれたんだ。
クーポン券は、何をつけたんだい?」
『A紙には、乾杯ドリンクのサービス券を、B紙には、デザートのサービス券を付けました。』
何から何まで、こちらが何も言わなくても段取りしていた。
この二人は、思った以上に大当たりだな!
俺達が音楽活動で、店に来れなかった間に、必要な事は全てやっているんだからなぁ。