ビルに入ると、外とは違い静かだった。


入口には二人ほど人がいた。


銃を持っていた。


山本の報告では『R』の基地に大量の武器があったことを言っていた。


この計画は三カ月も前から計画されていたのだろう。







僕は『透明』になったまま、左手を『強化』した。


僕は人を殺したくなかった。


それは僕だけではなく、伊藤もナナミも、誰だってそうだ。


僕の力が世界を滅ぼすのは人を殺してしまったときだろう。







だから僕は人を殺さない…






僕はタイミングを見計らって一人ずつ気絶させた。




『選択』能力で『検索』をして伊藤の場所がわかった。




階段を使い、伊藤のいる階まで昇った。






簡単なことだった。






全ては順調だった。