僕たちは一日掛けて遠くの方まで来た。


ニュースで起きていることが別の国のことのように思えた。


こうして、二人で遠くに移動したのは初めてだった。


でも、全然平気だ。ナナミが横にいてくれるから…









僕たちは電車を待った。


さらに遠くへ移動するためだ。



でも次に来る電車は約一時間後だった。



それまで僕たちはTVを見た。『R』はまだ抵抗していた。



画面に『R』のボスが現れた。



録画したものだろう。



椿十郎は僕が『C』を辞めてからしばらくしてTVに顔を映すようになった。



録画されている内容も伊藤が話しているようなことで、高校生の真似をした集団のイメージとしか思えなかった。







だが、途中で録画が切れた。







速報が入った。





中継の人が話していた。





どうやら一般人がビルに入ったそうだ。







無謀な事をする人もいたものだ。






突入している映像が流れた。








突入したのは…










伊藤だった。