翌日





僕は午前七時に起きた。


朝ご飯を久しぶりに食べた。


いつもなら時間がないのに今日は起きるのが早かったからだ。


支度をして、学校に行った。








いつも通りの通学路。


家から五分歩くとバスの停留所がある。


少し待ったらバスが来た。


定期券を運転手に見せた。


朝起きてから支度をするから、たまに忘れてしまうことがある。


今日は持っていた。









僕は席に座らず、つり革に掴まり学校に登校する。



昨日の出来事には正直今でも驚いている。



伊藤が世界のことを話しているところなんて今まで見たことがない。



伊藤は何がしたいんだろう。



僕らは無力なのに…。







学校に着いた。


僕は上履きを履き、教室に行った。


教室に着くとまだ五人ほどしか来ていなかった。


伊藤の席を見たが鞄がなかった。


まだ来ていないのだろう。









突然、僕の肩を叩かれた。


僕は驚いた。


僕に話しかけてくるやつなんて伊藤だけだろうと思った。


後ろを振り向くと、山本だった。




「よう、おはよう」

「おはよう」





山本は陸上部の朝練があるため、ホームルームギリギリに教室に来るので、朝話しかけらたことは一度もなかった。




きっと山本は昨日のことを話したいのだろう。




「ちょっと、ホームルームまで時間があるし、外の空気でも吸いに行かないか」






僕は時計を見た。


まだホームルームまで二十分あった。





僕は「いいよ」と言った。




屋上まではすぐ近くだから時間もかからない。





チャイムが鳴る少し前に戻れば間に合うだろう。


僕と山本は屋上に行くまで一言も話さなかった。


屋上に着くと山本は校庭を見ている。


僕は山本の背中を見ている。








「あのさ…」