「そうですか。
俺が日々思っていることは、このままではやがて世界に混乱が起きることです」






「それは君が起こしたいからか…」






「違います。俺はそうならないようにしたいだけです」




「そうか…。考えておこう」




サカイは伊藤に背を向けた。


伊藤は何もしなかった。


サカイに伝えたいことは伝えた。







大衆もサカイが去り、四方八方へと消えていった。


伊藤と僕たちだけがまだその場にいた。


ただ無言で時間だけが過ぎていった。









「そろそろお腹がすきましたね」
ナナミが僕たちに言った。


「そうだね。お腹が空いた」


僕もナナミに続いて言った。


「おい、マサ。食べに言うぞ。さっさと来ないと置いてくぞ」


僕とナナミと山本はさっきのカフェに行った。






「ほら、マサもそこで立ってないで早く行くわよ」


辻本が伊藤の手を掴んでカフェまで連れていった。


しばらくして「ちょっと待てよ」と言って僕たちの方へと走ってきた。






いつもの伊藤に戻った。







僕たちはさっきの出来事をネタに冗談話をした。











普段の日常へと戻った。