この世に生を受けたとき

僕はもらった

僕だけの大きなタンス

引き出しの沢山付いた

大きな大きな二つのタンス


僕のママが管理してくれてた頃

中に何が入ってるのかも

僕は全く知らなかった


自分で管理するようになった頃

沢山の辛い思い出詰め込んで

思いっきり閉めたり

鍵かけてみたり

いつしか近寄らなくなったりもした

幸せ詰め込んだタンスばかり

もうひとつは無かったみたいに

僕は同じものばかり使うようになった


それから幾年も経った頃

すっかり埃を被ったあのタンスを

中に何が入ってるのかさえもう
思い出せないこのタンスを

一度思い切って整理した

引き出しのひとつひとつから

いろんな思い出蘇り

見たくないものからも

目を逸らさないで

もう満杯だなんて言い訳しないで

頑張って頑張って整理した

そしたら宝物になったよ、そのタンス


ちゃんと二つを上手に使って

人の心の中に出かけるようになったら

前よりもずっとずっと

人と解り合えた


一緒に歩んできた二つのタンス

これからも二つの宝箱に

沢山の宝物詰め込みながら

どんどん成長し続けていくんだ

古くなってぼろぼろになるまで


僕もタンスも、そして君も、ね