兄妹はそれからしばらく他愛もない会話を楽しんだ。

学校のことや両親のこと、恋愛話…

いつもと何ら変わらない兄妹の触れ合いでも、今では特別なものに感じられた。

自分を心の底から慕い、尊敬し、今日、大切なことを教えてくれた瑠奈に感謝していた。

自分と瑠奈を兄妹としてこの世に送りだし、一生懸命働いて養ってくれた両親に感謝していた。

「もー!お兄ちゃんの意地悪ー!」

からかうとすぐ膨れる瑠奈。

褒めると素直に喜んでくれる瑠奈。

俺の大切な妹。

これからもずっと、瑠奈のこと守るよ。

隼人は心の中でつぶやいた。